最近はクライアントと話をしていると、ブランドイメージについて課題意識をもっている企業が増えたように思います。
ですが一方で、相変わらずネットに流れている情報やウェブ制作の現場では、グーグルアルゴリズムや優良コンテンツ、オウンドメディアという言葉のほうが多く耳にします。
もちろんそれらは非常に大切ですし、優良コンテンツ、オウンドメディアはブランディングにも非常に影響力のあるものです。
ですが、根底となる自社のブランド戦略がまったく考えられていないと、どれだけコンテンツを制作しても、企業が明後日の方向に進んでしまいます。
そこで今回はウェブサイトをブランディングの一環として、どう活用できるのか、その基本的な考え方を書きたいと思います

 

そもそもブランディングとは

ブランドマネージャー認定協会によると
「自社が顧客に抱いてもらいたいイメージと、実際に顧客が持つイメージを可能なかぎりイコールに近づける活動のこと」としています。

イメージをイコールに近づけるためには、いくら企業が「こんなイメージをもってもらいたい!」と思っても、
その企業が、そう思ってもらえるだけのポテンシャルがなければ、成立しません。

たとえば、「次世代をリードする圧倒的技術をもったプロフェッショナル」と唄ったとしても、
実際にそれだけのスキルがなければ、却ってイメージを下げる結果になります。
つまり誇張表現。これはブランディングの考えと反します。

 

 

じゃあ、どういうイメージだったら、自分たちの身の丈にあっているのか、
そしてそれは自分たちの良きところを、ちゃんと消費者に伝えてくれるのか考え、焦点を絞って活動を続けることで、御社ならでは特色ができてきます。
その活動によってファンがつき、イメージ向上につながっていきます。

つまり自分を大きく見せるのではなく、自分の良いところやビジョン、差別化できるところなどを、より戦略的に、そして魅力的に仕上げ戦っていく。そんなイメージだと思ってください。

 

ホームページを作る前に

強み弱みが明確にあったとしても、それを伝える手段はいくらでもありますから、自社の強み弱みを把握すれば良いわけではありません。
同じ強みを伝えるにしても伝え方によって、受けての感じ方は180度変化します。
では、どういう手段をとればいいのか。
それは企業理念や経営戦略によって、企業が向かいたい方向性に基づいて考えていく必要があります。

目指したい方向性や理念(ビジョン)と現在持っている強みが、あまりにもかけ離れているのだとしたら、別の強みを確立するのか、それともそのまま活かすのかは経営判断によるものですが、理解しておきたいのは、経営理念にはちゃんと意味があるということです。

どんなにいいアイディアを考えても、理念や戦略がなければ、それをやる価値があるのかジャッジに困ります。

弊所にご依頼いただくホームページの案件では、「デザインが古いから今風に」というざっくりしたご要望だけのクライアントがたまにいます。
企業の方向性が明確になっていけば、こういう要望にはなりません。企業が目指すビジョンに即して考えることで、コンテンツやデザインの見直しの必要性が必然的に見えてきます。

 

目的を考える

ビジョンを達成するために、ホームページはどういう目的のもと運用するのか考えます。

飲食店などは食べログやぐるなびが集客経路のお店がほとんどでしょう。
食べログなどの情報は個性が見えないのが悪い点なので、
集客はあちらに任せ、お店のホームページはイメージ構築に焦点を絞り、食べログなどの情報を補うためホームページを用意するお店も多いでしょう。

そのように集客経路を考慮してホームページの目的を考えることは有効です。

 

 

また、ビジョンを達成させるために、ホームページの目的を考えるのも重要です。

たとえば、頑固で怖面の職人さんが経営する従業員5名のA社があったとします。
彼は実際はすごい気さくで、もっと相談してもらえる駆け込み寺みたいな会社にしたいと思っていて
もっと親しみのあるイメージをもった会社を目指しています。
でも、なんせ顔が怖い。お気軽にどうぞなんていっても、説得力がない。
パンフレットなどを親しみたっぷりにしても、
依頼者が実際に職人さんに会う前と会ったあとで、ギャップが激しく出すぎてしまいます。

そこでA社のホームページの目的は
「内面をしってもらう」とします。

この目的は、とても大切です。
よく見かけるベタなコンテンツも、目的が変われば、なすべき意味が変わってきます。

 

例1)社長の日々のブログ

SEOの観点からいうと、「ユーザーがもとめる情報をコンテンツ化する」ということが重要なので
社長のブログは意味がないと言っている方も多く、たしかに、SEOの観点では期待できません。
ですが、A社の目的はSEOではありません。「内面をしってもらう」です。
ちらっと覗いた人が、「あ、意外に明るい人そうだな」と思ってもらえればそれでいいわけです。
読んでなくてもいい。イメージで伝わればいいのです。

 

例2)子供向けのワークショップ開催

ホームページから抜け出して、
A社のブランディングの活動として、ワークショップを開催して
町の子供たちに職人さんの技術を体験してもらうことを企画します。

告知は、町の広告やワークショップなどを紹介しているニュースサイトに掲載してもらいます。そして、ワークショップの時の写真は、参加者だけでなく職人さんをいっぱいとります。

これを自社のホームページに掲載します。
子供たちと接している職人さんはみんな笑顔です。

ワークショップの模様をホームページに掲載しているのはよくある事例ですが、
多くは活動報告や活発的なイメージ与えることを目的にしているケースが多いと思います。
ですがA社は、目的である「内面をしってもらう」のためにやります。

ホームページに掲載することで、「職人さんは実はこんな顔をするんだ」と観覧者に感じてもらうのが目的です。
ワークショップ参加者は、ふれあいをもつことで、イメージの払拭にもつながります。
それはすべて「すごい気さくで、もっと相談してもらえる駆け込み寺みたいな会社」にするためです。

このように、どのコンテンツがダメというわけではなくて、
自社が何をしたいのかで変わってきます。


まとめ

ブランディングは、時代に流されない根底的な考え方だと私は思っています。
正解はありません。

自社が何をしたいのかを考えて、その上でホームページで何ができるか考えることが
有効活用する近道だと考えています。

ホームページリニューアルの際は、現状のサイトの粗探しや、コンテンツの整理だけでなく、
ビジョンの達成に即しているのか、ホームページの役割はなんなのか、そういった点でリニューアルプランを検討することで、
よりブランディングに貢献するホームページに生まれ変わる可能性が高くなります。

リニューアル際のヒントになれば幸いです。